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麦工房ブログ

空気による床暖房 カテゴリー

床下の暖気を利用する床暖房

地球温暖化対策としてCO2削減を図ることができ、しかも、快適な住空間が
今求められています。

また、体内の免疫力の観点からも家全体の温熱環境を整える必要があります。
体の冷えにより代謝活動が落ち、婦人科系の病気だけでなく、心筋梗塞や脳卒中、
ガン、アレルギー、うつなどの精神病など、あらゆる疾患の発病に影響を与えると
言われています。

私たちの採用するシステムは、これらの課題を解決し、しかも住宅内の急激な
温度変化を緩和できるように家全体を温める暖房方式です。

今まで採用してきた暖房システムは、次の2つです。
特に光熱費を極力抑えることが採用の条件になりました。

Ⅰ 深夜電力を利用したスラブ蓄熱型床暖房
Ⅱ OMソーラ


Ⅰ 深夜電力を利用したスラブ蓄熱型床暖房

スダレ状の電気ヒーターを土間コンクリートの下に敷き、通常の一般電力に比べ安い深夜電力を使い
コンクリートに蓄熱します。

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写真は、ヒーター線が施工されている様子です。

青く見えるのは断熱材で土間コンクリートに
蓄えられた熱が外に逃げないように設置されて
います。


 

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これから土間コンクリートが打設されますが、
コンクリートの上に束が立てられ、床との間に
空間ができます。

その床下の空気が温められることで床暖房に
なります。

窓や外壁の近くの床にガラリが設置され
床下の暖気を吹き出すことで、室温を
一定にします。

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このグラフは厳寒期の3ヶ月の温度変化の様子です。

上から、床下空間の温度、室温、外気温を示しています。

外気温が0℃以下であっても、室温は20℃位で
安定していることが分かります。

オール電化住宅の懸案であった家全体を床暖房にすることが
比較的安価な工事費で設置できます。

このシステムを採用した建物

Y邸
SAKURA HOUSE
M家2世帯住宅
華蔵寺クリニック・アネックス
SILVER VESSEL

Ⅱ OMソーラ

16年前(平成7年)に、東京芸術大学名誉教授の
奥村昭雄先生が発案されたこのシステムの存在を知り、
そのしくみと設計方法の講習会を受けたのが
OMソーラとのつきあいの始まりです。

最初に採用したのは、デザインスタジオ麦工房の建物です。
冬の日照時間が長い地域性と、床面積50㎡最高天井高5.5mの居間、
30㎡天井高3.5mのアトリエを含む200㎡の室内を
安価なランニングコストでまかなう目的でOMソーラを
使うことになりました。冬季には、外気温が氷点下であっても、
昼夜を問わず20℃以上の室温を確保しています。

実際に生活の場でOMソーラを体験しながら、
効果的なシステム活用方法を検討してきました。

その後、お施主様のご希望と各種条件がそろった場合に
OMソーラが採用されてきました。


OMソーラを採用した建物

デザインスタジオ麦工房
牧草地に建つ家
INDIGO CHOCOLAT
華蔵寺クリニック
Bali JAPAN
相愛館保育園
E邸
SSMY

OMの仕組み

OMソーラは、屋根に当たった太陽の熱で屋根の下の空気を暖め、
床下に導いて床暖房するという、きわめてシンプルなパッシブソーラです。
日が沈むと、床下に蓄熱された熱によって、暖かく過ごすことができます。

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ファンを内蔵したハンドリングボックスにて、床下に空気を送り込む冬モードと、
そのまま排気してしまう夏モードへの切り替えを行います。
そしてハンドリングボックスを通過する温風を使い、熱交換でお湯も
つくってしまいます。

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曇りや雨の日には、太陽の熱は取れません。床下に設置した補助暖房が
自動的に作動します。
地域の標準気象データと、建物の仕様に応じて、計画段階で集熱の期待値を
コンピューターシュミレーションできるのも大きな特徴です。
また、このシュミレーションにより計画の再検討も可能になりました。

さらに詳しい情報はOMソーラ協会のHPをご覧下さい。


OMソーラのメリット

大きな吹き抜け空間があったり、建物全体を暖房する場合、
空調機を使う場合、多大なランニングコストがかかります。
太陽光を熱源とするOMではそのコストを削減することができます。
現在ハンドリングボックスを動かす電気は、専用の太陽光発電パネルで
得られますので、ランニングコストは補助暖房にかかるだけです。

床下に送りこまれる暖気は軒先から取り入れられた新鮮空気を
屋根面で暖めたものです。そのため、絶えず建物内はきれいな空気で
満たされています。

あるお施主様の家では、シュミレーションによりますと、
1年で灯油に換算すると700リットル分の暖房用の熱量と、
300リットルの貯湯槽に40℃以上のお湯が採れる日が
年間120日ある計算になりました。
OMシステムを採用する場合、建設時に建設費の10%程度が
かかりますが、予算に余裕があるときはメリットがあります。


OMソーラを施工する工務店

パッシブソーラは気象条件など地域ごとに条件が異なります。
そのため、その地域に精通した工務店がふさわしいというコンセプトのもと、
各地域の工務店がOMソーラ協会会員となり施工に当たっています。
群馬県では5社が会員になっています。
(詳しくはOMソーラ協会HPでご確認下さい。)
麦工房の手がけたOMの建物は、会員工務店が施工したケースと
OMシステム部分のみ施工したケースがあります。いずれにしても
OM実績ある工務店のノウハウがシステム採用には不可欠です。