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麦工房ブログ

2007年07月 アーカイブ

3年前に水廻りと玄関をリフォームした
N博士の家の2期工事です。

今回は、建物へのアプローチと主寝室を改造しました。

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私たちが手がける建物の中で、
木造では、枠組壁工法(通称ツーバイフォー)が多くをしめています。
柱や梁を露出せずに最大60㎡(36帖)の大空間をつくれることに加え、
構造上の安全性が論理的に確認できる魅力があるからです。

今年7月16日に発生した新潟県中越沖地震は、
想定外の揺れにより柏崎刈羽原子力発電所を
全面停止に追い込むほどの被害を発生させました。

想定できないのが地震だと考えますと、
より安全な構造をと考えるのが当然です。

一般的に見て、木製軸組工法(在来工法)よりも、
枠組壁工法(ツーバイフォー)の方が安全であると、私たちは考えています。


在来工法とツーバイフォーの構造

柱と梁、そして筋違い(すじかい)により構成される在来工法(木製軸組工法)と異なり、
枠組壁工法は、木製の壁パネルを作り組み立てていく工法です。

在来工法がマッチ棒で作られた箱としますと、
四方がボール紙でできた箱のような構造体がツーバイフォーです。

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(朝日新聞より)


地震に対する強さ

マグニチュード7.2、震度7の阪神淡路大震災では、
ツーバイフォー住宅約8000棟のうち、全壊はゼロ、地盤液状化による半壊が2棟、
また、内部の床のねじれ、不陸の発生した建物は16棟あるものの、
そのままの居住に支障がない状態でした。
(日本ツーバイフォー建築協会 震災被害程度調査報告による)

これは、地震力が建物に加わっても、
構造の一箇所に力が集中しないため、強いからです。

また、施工面からも、枠組壁工法では構造材や釘、金物のサイズ、
施工方法・使用箇所について、細かく規定されています。

そのため、まじめな施工業者であれば、規定に忠実に施工することで、
安定した構造強度が得られることになります。


火災に対する安全性

損害保険各社は、在来工法より焼損する可能性が低いとして、
割安な保険料を設定しています。

ある大手損保会社では、東京墨田区などではツーバイフォー住宅の保険料は
在来工法の木造(木製サイディング張り)の建物が36,600円なのに対して
17,600円と半分以下になっています。(平成18年12月10朝日新聞記事から)

なぜかと言うと、壁や床の両側に合板と石膏ボードが張られているため
『ファイヤーストップ構造』になり、空気の流れを遮断し、
火が燃え広がるのを食い止めます。

また、床や壁の内部は床根太、枠組材などが一定間隔で組まれているため、
防火上の区画がいつも作られている構造にり、火災の進行が遅く、
初期消火の可能性が高くなります。


建物のデザイン性

枠組壁工法は壁を多く作らなければいけないため、
設計の自由度がないと言う話をたまに耳にしますが、
耐力壁をバランスよく配置し、窓の開口部は一定のルールに基づいていれば
自由度を阻害する要因にはならないと思います。

具体的には一箇所の開口部の幅が4mまで、
構造区画の1壁面にあけられる開口幅は3/4までです。

私たちは、壁量の多いツーバイフォーならでは特徴を利用し、
建物のファザードに重厚感を持たせています。




かなめ眼科クリニックの庭に植えられた
アガパンサスの花が満開です。

植えられてから1年半、
待ちに待った青い花が咲き乱れています。

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以前設計した華蔵寺クリニックが増築されました。

増築されたミーティングルームでは、サラリーマンの職場復帰プログラムや
患者さんのご家族を対象にした、サポートプログラムが行われます。

既存部分にあわせた一体感のデザインになっています。


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4年間運営していましたホームページを
リニューアルいたしました。

これからも、お施主様のニーズに的確にお応えできる
事務所として、インテリアデザイン教育の場として
活動してゆきたいと思います。



2007年6月30日発行の ニューハウス出版 HOME MAKE 「住みよい間取りの家」 に、
INDIGO CHOCOLATが掲載されています。

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雑誌の表紙を飾るとともに、
「若い2人のこだわりが詰まった家」として紹介されています。



伊勢崎市に建設中の松田医院では、屋根工事も終わり、
外装と内装工事が平行して、進められています。

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お施主様それぞれの事情により、設計の進め方に違いがあります。

各計画ごとに、設計企画書を作成させていただきますが、
私たちの業務の全体的な流れを、ご理解いただくために、
概要をご紹介いたします。

リフォームの場合も、基本的には、同じような流れになります。

1. まず、ご連絡下さい。
  
  家づくりを考えると、様々な疑問が生まれます。 
  お気軽に、お声をかけてください。

 
2. 直接お会いしてお話をお伺いします。

  設計に対する姿勢や、暮らしに対する考え方など、
  お施主様と、設計者がお互いに思うところを話すのが大切です。

 
3. 敷地の状況を確認します。

  建設地が既に決まっている場合は、敷地の法的な規制、
  周辺環境などをチェックします。
 
  土地が決まっていない場合は、敷地の選定のお手伝いもします。
  候補地に対して、注意すべきこと、法規制など評価をします。


4. 設計・業務の企画書をご用意します。

  これからの業務内容と、スケジュールなどをご提案します。


5. 建物の企画・構想を練ります。

  お話をお伺いし、建物の計画コンセプト(テーマ)、敷地の利用方法、
  動線(人の動き)計画やゾーニング(大まかな部屋の配置)計画、
  将来の計画などを検討します。


6. 基本設計書の作成・検討、概算見積りを行います。

  さらに詳細な打合せを通して、基本的な図面や仕上げ、設備計画をまとめます。
  この時点では、模型やスケッチの作成、インテリアデザインも並行して進めます。
  建物の概要が決まった段階で、概算工事費を見積もり、計画内容の調整を行います。
  材料・建材の個人輸入をする場合は、準備をはじめます。


7. 実施設計書の作成・検討、確認申請手続きをします。

  工事を施工会社に発注するための設計図書の作成と、
  建築確認申請など許認可手続きのお手伝いをします。


8. 請負業者を決めるためのお手伝いをします。

  施工会社へ見積依頼を行い、見積内容のチェックと調整をします。
  また、施工業者を決定する際の助言と、工事請負契約書を結ぶための
  お手伝いをします。


9. 工事期間中の設計監理を行います。

  私たちは建て主の代理として、工事実施状況や内容のチェックを行います。
  また、地鎮祭、上棟式、竣工式などの式典についてもお手伝いいたします。


10. 竣工時の引渡し検査を行います。

   手直し工事が終了した段階で、建物の引渡しが行われます。


11. アフターメンテナンスのお手伝いをします。

   施工業者によるメンテナンスの立会いや、
   建物の維持管理に関するアドバイスもさせていただいております。