2007/8/30
個人輸入のサポート
私達の設計する建物では海外の製品や建材を利用する場合があり、
その際、お施主様が行う個人輸入をサポートしています。
個人輸入を行った住宅
デザインスタジオ麦工房
INDIGO CHOCOLAT
TRIM ROSSO
E邸
建材・製品の輸入をする場合の判断
・基準品質が同等の国産品と比べて安価であること
・性能・耐久性などの品質から、外国製品の方がコストパフォーマンスが良いこと
・国産品に代替品がないこと施工の合理化が図れること
これらは相互に関係を持っているのですが、コンテナの容量や輸入に関わる諸費用等を
総合的に判断して品目を決めます。
また、建設工期に余裕があることも大切な要素です。
個人輸入のメリット
国内輸入代理店を経由しないためその分コストの低減が可能になりますが、
建物との取り合い等調整が難しいため、家具のように単品で使う商品に比べて
リスクが大きくなります。
そのため、私達は外国人建築家とのコラボレーションによりリスクを回避しています。
個人輸入の手順
1 基本設計の時点で輸入する建材・製品の仕様を決めます。
2 外国人建築家を通して、輸入品の概算見積りをとります。
この価格はCIF(海上輸送費、保険料を含む)価格で提示されます。
3 国内で要する費用(関税・国内輸送費)を算出し、輸入に要する概算を出します。
4 実施設計時点で建材・製品の最終的な仕様を決め、最終見積りを算出します。
5 外国の輸出会社・国内の通関・輸送会社と建て主と契約を結びます。
契約は外国人建築家が外国内の支援を行い、国内の支援は麦工房で行います。
6 製品検査は外国人建築家がシッピング前に行います。
7 B/L(船積み証券)、INVOICE(納品書)等のシッピングドキュメントを受け、
国内にて通関手続きを行います。
8 国内輸送スケジュールと建築現場のスケジュールを調整します。
9 現場に到着した製品を開梱時点で検査し、
破損等あった場合は保険処理等行います。
10 建材・製品の納まりを現場指示し調整を図ります。
個人輸入サポートシステム
今まで私達がサポートし、お施主様が個人輸入した建材や製品
構造材:壁パネル、 I-ジョイスト(梁) 等
仕上材:木製サイディング、 デッキ材、 フローリング、 木製化粧枠(トリム)、巾木等
建具: 玄関ドア、 室内ドア、 木製サッシュ 等
その他:キッチンキャビネット、 浴槽、 洗面台、 照明器具 等
高さが2400mmの木製サッシュや木製玄関ドアは日本では生産されていませんが、
アメリカの工場に発注することで調達できます。
また、それ以外の木製サッシュも同等の断熱性能を持っている国内の製品よりも、
輸入することで安く手に入ります。
それは、日本では金属製建具の生産ラインはしっかりしていますが、木製建具の
生産ラインは欧米のほうが良いためです。
木製のキッチンキャビネットなどは、日本の製品は高価です。
コンロ、フード、シンク、水栓、食器洗浄機などを国産品にし、他は輸入することにより
安価に、質をあまり落とさずににイメージにあったものが調達できます。
日本で生産されていない製品もあるため一概にコストダウンの程度を論じることは
難しいのですが、国内で調達できるものを個人輸入した場合と比較すると、
サイディングなどの建材については40%程度、建具などの製品は30%程度の
コストダウンが可能になります。
国内で調達できない建具やキッチンユニットなどは、国内で特注製作した場合に比べ
1/3程度の価格で調達できると思われます。
ただし、外貨のレートにより変動するため、円高の時期にはメリットがあります。