2011/11/28
サンルームのある楽しい暮らし
サンルームは、古くは日光浴を目的として設けられたガラス張りの部屋をさしていました。
最近は、建物の内部と庭との中間的な環境をつくり、なかばアウトドア風の生活を楽しむために、
建物の外に張り出し、壁や屋根などの多くの部分をガラス張りにした箱状の空間を、
サンルームとよんでいます。
また、後付けの工業製品も多く販売されています。
私たちは、光を屋根面からも取り入れられるサンルームをさらに積極的に活用し、
生活に密着した、くつろぎ、暖かさを楽しむ日常生活の場として考えています。
そのため、建物の設計時点からサンルームを取り込んだ設計も行っています。
サンルームは、いろいろな植物を置き、テーブルや椅子などを配置し朝食やお茶を楽しむ
くつろぎの場所としての利用のほか、いろいろな利用方法があります。
1.冬の日差しを暖房として利用(パッシブソーラ)
2.雨天時やスギ花粉が飛散する時期の物干し場として利用
3.屋内で飼うペットの日光浴(遊び場)として利用
4.寒さに弱い動植物の避寒の場として利用
さらに、部屋の明かりを消すと夜空の星を家の中で楽しむこともできます。
私たちの設計したサンルームにはいろいろな特徴があり、次のように分類することができます。
タイプ1:近隣からの視線を避け天空から照度を得るタイプ
敷地の周りに住宅が密集しているような場合には、外壁のサッシから採光するのではなく、
屋根から直に光を取り入れる場合があります。
また、浴室のように非常にプライバシーが高い部屋に隣接して設けることもできます。
タイプ2:外部からワンクッションおくための緩衝空間
建物の南側に通行の多い道があったり、有料駐車場があるなど、直接接したくない外部空間がある場合には、
サンルームが緩衝空間として利用されるケースもあります。
タイプ3:建物内に設けた外部的空間
建物の中にいて、アウトドア的な雰囲気を味わおうとする場合にサンルームが有効
に使われました。
タイプ4:植物を置いて異空間を作ろうとするタイプ
サンルームの温室としての特徴を利用して、他の部屋とは一味違う植物のある生活
空間を演出したケースです。
タイプ5:インドアガーデンとして利用したタイプ
寒い時期でも身近に植物の緑があることで、ほっとできる癒しの空間が生まれます。
旅行で行った南の国のリゾートホテルを思い出す瞬間をそこ再現することも可能です。
タイプ6:その他
玄関ポーチをサンルームにし、玄関前のイメージアップを図るなどさまざまな活用方法があります。
しかし、サンルームをつくるときに注意しなければいけないことが何点かあります。
1.雨漏りに注意
サンルームの屋根はガラスが葺かれるのですが、一般の屋根部分とは仕上げ材料が異なります。
そのためこの2種類の材料が合わさる部分から雨漏りが発生しやすくなります。
その対策としては、ガラス屋根を他の屋根の部分と高低差を設けて雨水が回り込まない工夫が必要です。
2.夏の日差し対策
夏の日差しはとても強いため日除けが必要になります。
キャンバス地の天蓋や発泡スチロールなどの断熱材をセットできるようにします。
また、換気扇を付けることも大切です。
3.冬の夜の寒さ対策
屋根がガラスですからたとえペアガラスを使っても室温は下がります。
サンルームと他の部屋は建具で閉じられるようにし、日中にサンルームから取り込んだ暖かい空気を
逃がさないようするわけです。
また、洗濯物をサンルームに干しっぱなしにしておくと、屋根のガラス面で結露する場合がありますので、
注意が必要です。
4.地震時の配慮
屋根面が全てガラスで覆われているとその部分が弱くなります。全てガラスで覆うのではなく、
合板を張った部分をつくり面剛性が保てるように工夫する必要があります。
また、割れても落下しないような網入りガラスにすることも大切です
サンルームには施工上の難しさもありますが、その空間の楽しさは一度経験したら、
2度と手放せない魅力があります。
デザインスタジオ麦工房は、今まで数々の成功や失敗を経験してきました。
その経験を活かし、皆様のサンルームづくりのお役にたてればと思います。
ご質問などありましたら、気兼ねなくご連絡ください。お待ちしております。