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麦工房作品集

SAKURA HOUSE(2010年08月)

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SAKURA HOUSE(サクラハウス)
新築
所在地:群馬県前橋市
竣工:2010年7月
床面積:91.10平方メートル
構造・階数:木造平屋建

定年退職後の自分のための家

定年後、30年近くある人生を安全で快適な環境で、楽しく生き生きと過ごすことが大きなテーマといえます。

前橋市平和町に建てられたこの家は、このテーマのもと、終の住まいとしてつくられました。

まず、この家づくりは、敷地探しから始まりました。
中心商店街へ自転車や徒歩で容易に行くことができ、日当たりを十分に確保できること、そして、地域のコミュニティーが
しっかりしていることが敷地選びの条件でした。

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開放的な家ですが、雨戸により夜間の安全性が保たれます。

建物は、「手を伸ばせば必要なものがある」ようなコンパクトな居住空間で構成されています。

キッチンや洗面所・浴室など水回りは、オール電化にすることやバリアフリー化により安全な設計になっています。
また、十分な収納スペースも確保した機能的な間取りになっています。

サンルームの建具を開けると全ての部屋が一体化します。その広がりが縁側・前庭へとつながり開放感のある
家になります。

使用された材料は、手に触れるところは自然素材、メンテナンスしにくい外壁・屋根は、
ガルバリューム鋼板張りと使い分けをしています。素材の色が外観を特徴づけています。

さらに、プライバシーや防犯性能が考慮された住宅にもなっています。


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玄関ポーチ(写真左)は、車椅子の利用も可能なようにスロープになっています。
サンルーム(写真右)は、冬には暖かい光が差し込み、夏の日差しは可動ブラインドで調整されます。
杉板が壁に張られ、自然なやさしいスペースになっています。
この部屋は、インドアガーデンとしても利用できますし、雨の日には物干しスペースとしても使える多目的な空間です。

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和室(写真左)の勾配天井の一部には照明が埋め込まれやわらかな明りを楽しむことができます。
和室にはコンパクトなトイレ(写真右)があります。和室が寝室として使われる場合を想定しています。
最近の洋便器は機能が充実しているためこのようなプランニングも可能になりました。

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寝室(写真左)は最高4mの天井高のある開放的な部屋になっています。
壁の上部の開口は、床暖房時に天井周辺の暖気を床下に循環させるために使われます。
この家では、土間コンクリートに蓄熱し、床下の空気を温める暖房方式が採用されています。
現代版のオンドルのような方式です。さらに空気を循環させることで、家中を均一な室温にすることができます。
ヒートショックを起こさないような配慮がされています。

縁側(写真右)は、近所の人との談笑の場、庭をめでる場、日向ぼっこの場として利用されます。


sakura%20kitchen.jpgサンウェーブのシステムキッチンが設置されています。
反対側の食器棚とあわせると非常に収納効率の高いキッチンになっています。

sakura%20toilet.jpg洗面脱衣室とトイレを一体化することで高級ホテルのような
開放的な空間になっています。十分な広さをとることで要介護になった場合の介助スペースを確保しています。

sakura%20niwa.jpg建物の南にはコンパクトな庭があります。真ん中に
サクラの木が植えられる予定です。春にはサクラの花を
見ながら友人たちが集まり宴会を催す予定です。

sakura%20naight.jpg夕刻の様子です。

この住宅の暖房設備は、1階全ての床下にコンクリート打設し、ケーブルヒーターで蓄熱する床暖房です。

工事費が安価なこと、一般電力に比して約30%深夜電力を利用できること、オール電化が可能なことなどメリットの多い
暖房方式です。

採用した暖房システム:深夜電力利用スラブ蓄熱式床暖房の詳細はこちら


photo:Sugaya Studio