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麦工房ブログ

イタリアにいる間に、いろいろな家に呼ばれたが、
どの家もピカピカに磨かれていた。
大変掃除上手なのがイタリア人である。

それまで「日本人は国際的に見て最もきれい好きな国民だ」と思っていたが、
その考えは100%覆されてしまった。

驚くほど整理され、それも半端でない。徹底している。
玄関から始まって、室内の掃除はもちろん、
棚の上やテーブルの上もきれいさっぱりしている。
余計なものは一切置いていない。壁の絵もその人の趣味で統一されている。
調理後の台所は、すでに何もなくピカピカになっている。
テーブルクロスの上にはグラスや皿、ナイフ、フォークがきちんと揃い、
夕食の準備が整っている。  

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食事は楽しく長い時間を費やすが、片付けはその間にやってしまう。
食器洗い機が置いてある家も多く、その中に突っ込んでしまえば
終わりなのだが、機械のない家でも食事が終わると
直ぐに片付けてしまうのだ。

洗い、拭き、棚にしまい、一番汚れるレンジもその都度掃除するので、
油がこびりついて真っ黒になっていることは決してない。
これがどの家もそうなのだから驚く。

男だけのアパートの台所もそうなのだから不思議なくらいだ。
忙しいからといって散らかっている家は見たことがない。
調理料類も何もかも棚に整理され眼に見えるところには置かない。
調理台の上は何もなくショールームに展示されたキッチンと同じなのだ。


ヨーロッパの街並みについて、その美しい理由を
「道路に面する部分やベランダを綺麗にすることが
法律で定められているからだ」と
単純にいう人にお目にかかることがある。

実はこの発言、その人が家の中の様子をまったく見ていないことを
露呈しているのである。

彼らは美しく整えた自分の部屋の延長として窓際をとらえているのだから、
美しくて当然なのである。

日本に洋式の生活が導入されてまだ歴史が浅く、家具をはじめとした
生活のしつらえ、その扱い方に関しては、
残念ながら我が国はまだ発展途上国といわざる得ない。