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麦工房ブログ

クリスマスをミラノで過ごした。

華やかなネオンの通り、目の覚めるようなクリスマスツリー、
そして、家族へのプレゼントを抱え歩く人々。
そんなイメージを抱き、それを期待していた。

しかし、ミラノの街の中には誰もいなかった。
夜9時、10時…私たちは何かを求めるように街をさまよい歩いた。
店は一軒も開いておらず、イタリア人の姿も1人も見えない。
地下鉄もバスもなく、近くの教会すら閉まっていた。
通りにいるのは、拍子抜けした観光客やアジア人、
そして物売りの黒人だけだった。

寂しいクリスマスだった。

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大晦日はというと、それはそれは騒がしい日だった。
朝からあちこちで爆竹の音、
「きっとネオナチかチンピラの仕業に違いない」と私たちは思っていた。
その音ときたら、自動車がどこかにぶつかったような物凄い音、
心臓がその度に止まりそうだった。

夜も更けると、大爆竹・大花火大会がミラノ中で起こった。
アパートの窓から通りに花火を投げる。前のアパートにぶつける。
あの記憶に新しい湾岸戦争のバクダッドの夜空のように、
そこら中で花火があがり、街中火薬の匂いが立ち込める。

花火で賑わうのは中国ばかりと思っていたが、
お祭好きのイタリア人がこれをしないわけがない、と納得する。


テレビでは、女の子達が胸を揺すりながら踊りまくり、
12時の時報とともに最高潮に達する。

そして、新しい年が底抜けに騒々しく、賑やかにはじまるのだ。