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麦工房ブログ

イタリア映画で『自転車泥棒』がある。

第2次世界大戦直後の貧困な時代の生活を映している。
日本と同じ敗戦国で、仕事もない貧乏な暮らしがそこにあった。

今では食べることに困る人はなくなり、裕福な暮らしが送れるようになってきたが、
自転車泥棒がいまだに続いている。

イタリアでは大概の人が昔日本で使われていたような、
黒くて重い、朽ちかけた、中国製自転車のような、
そんな自転車に乗っている。

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私たちも友人から自転車を買ったことがある。
日本の駅前に山積みにされた放置自転車が、
新品同様に見てしまうほどポンコツで、
日本人の目から見たら、ただのゴミにしか映らないような代物であった。

しかし、その自転車でさえ、盗難防止用の重い鎖と南京錠が付けられている。
笑ってしまうが、そんな自転車でも、盗難の可能性があるのだ。

新しい自転車を売る店はそこらじゅうにあるし、
当然新しいものを持っている人々もいる。

彼等はそれを大切に家の中で保管していて、
私たちの眼に触れることはあまりない。

街で見かける一般の自転車からは、ただ「自転車泥棒」の時代が
彷彿とされるのである。