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麦工房ブログ

開院してしばらくたち、少し落ち着いてきた今、
去年一年間ずっとお世話になったことを思い出します。


開院を決意して

思い返してみると数年前から、故郷である群馬に帰り、開院したいと漠然と考えていました。
場所をどこにするか、予算はどうすれば、どんなクリニックが作りたいのか、
等々考えると一歩も前に進めずの状態でした。

しかし、40歳を目前に控え、ついに腹をくくり、場所探し、予算交渉を進め、
あとは建物をどうするかという最大の問題が残りました。


以前より従来の医院とは違うもの、
癒しのあるもの(最近ではこのような風潮が多いようですが)がつくりたいと、
妻と一緒にいろいろな建築雑誌を見たり、
都内の住宅展示場や、コンランショップなどに行きましたが、
どこそこのこれがいい、こんな風にしたいということがあっても、
じゃあ具体的にはどうすればよいのか?誰に相談すればいいのか?
ハウスメーカー?個人の建築家?難しい問題でした。


麦工房との出会い

いくつかのメーカーの話も聞きましたが、どうもしっくりいきません。
個人の建築家の方の話しも聞こうと考えましたが、
どのように選べばいいのか、もしかすると個人の建築家って高いのではないか、
自分と合わなければ困るな…などの不安がありました。

私自身は常に施主の味方になってくれる長岡夫妻に頼んでよかったし、
その過程もとても楽しく充実していました。

長岡夫妻と初めて会ったのは、平成17年1月4日でした。
会うきっかけは、麦工房のホームページです。
平成16年の秋から冬にかけて当時大学病院に勤めていた私は、
月に何回か当直がありました。
空いている時間があると都内を中心とした建築家のホームページを片っ端から見ていましたが、
なかなかこれと思える方がいませんでした。
あるときたまま検索したときに麦工房のホームページにあたりました。


麦工房らしさ

これを読まれている方も感じるかもしれませんが、
ここには長岡夫妻の姿勢が見られます。
建築家としての考え方、インテリアも含めたトータルな考え方など、
他にはなかったしっかりとした考えが書かれており、かなり感銘を受けました。

また、もともとぬくもりのある木を使った建物が好きであったこと、
おまけに実家から大変近いこともあり、最初は恐る恐る正月あけ3日に電話をしてみました。
正月早々で申し訳なかったのですが、大学病院の正月休みが4日までしかなく、
群馬に居られるのも明日までと考え電話をしてみました。

長岡夫妻は暖かく迎え入れてくれました。
はじめのうちは、世間話をしながら私たちの好きなもの、イメージなどを聞いてもらい、
時にはスケッチや集めておいた切抜きなどを持っていきました。

また、私の専門である眼科は様々な医療機器があり、
それを理解してもらうため、パンフレットをどっさり渡しました。

長岡夫妻はクイズ形式を取りながら医療機器のことを覚えてくれたようです。
そのようなたくさんの機器をいかに使いやすくレイアウトするか、
何度も何度も打合せを繰り返しました。
また、何度か一緒に先輩のクリニックを見に行きましたが、
長岡さんはあちらこちらをメジャーで計測し、イメージを膨らませていたようです。


充実した医院づくり

ほぼ毎週群馬に戻っては、打合せという日々が続きました。
しかし、辛いということはなく、非常に楽しみにしていたことを思い出します。
打合せをしていると、つい楽しく時間を忘れて長居をしてしまい、申し訳なかったなと思います。
また、コストの面についても、かけるところはかける、妥協すべきところはするという
工夫をいただき、何とか予算に近いようにまとまりました。

今、こうして診療していると、時間をかけて相談し、
自分の納得いくものをつくってよかったと思います。
私たちの夢の手伝いをしてくれた長岡夫妻に感謝しています。
今後も時々遊びに行きますので、そのときにはよろしくお願いします。

作品集:かなめ眼科クリニック