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麦工房ブログ

2011年12月 アーカイブ

階段は、上下階を移動するための装置であり、機能性や安全性が強く求められます。

さらに、階段は、ある特徴を持っています。
それは、平面的な移動が主な建物内で、唯一、上下の移動に伴って視線がダイナミックに変化することです。

直線的な(まっすぐな)階段であれば、一段目は視線が踏面に向かいますが、
それ以後は、リズミカルに上がり(下り)ながら、周囲の様子を見ることができます。

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吹き抜け空間にある階段であれば、目線の変化により、いろいろな高さで空間を楽しむことができます。

回り階段の場合、意識は一段一段の踏面に集中し、上りきってはじめて2階の空間に意識が向かいます。
視線をコントロールすることができるため、テーマ性のある面白いデザインが可能になります。

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また、空間に開放された階段は、見た目に面白い造形にすることが可能です。

そのような階段のおもしろさを意識して、
私たちはいろいろな階段を設計してきました。

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この回り階段は、上がるとリビングの大きな吹き抜け空間の中ほどに立つことができます。
そして空中の歩廊を歩いて2階の部屋に行きます。
日頃できない不思議な体験ができる階段です。


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この住宅では玄関扉を開けると、階段室になっています。
平面図で見ると3角形に近い形をしていて、回り階段のようになっています。
この階段を上がると、大きな窓のある2階のリビングに入ります。
閉鎖的な階段室によって、リビングの開放感が強調するようにデザインされました。


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WOODYな吹き抜けのLDKにつくられた階段です。
格子状に組まれた手すりの造形が空間を楽しくしています。


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上の住宅でつくられた階段と同じデザインですが、白い壁で統一された住宅のLDKに設置されています。
部屋のイメージによって、階段の印象もだいぶ変わります。


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縦と横の太い木材で構成された手すりが印象的な階段です。
この住宅は、木材を主とした自然素材を多用することがテーマになっています。


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玄関ホールの吹き抜けの階段をリフォームしたものです。
モダンでシンプルなデザインになっています。


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鉄筋コンクリート造の階段ですが、人が接する踏面や手摺を木で仕上げています。
硬く冷たい材料と温もりのある材料の組み合わせが面白い階段になりました。


このように、階段は建物のイメージに影響を与える大きな要素なります。
建物のコンセプトにあわせて、十分にデザインを練ることが大切です。